グレーゾーン金利

利息制限法と出資法の違いを巧に利用

現在、貸金業者に対して法律で決められている上限金利は18.0%(借入額が10万円〜100万円)です。しかし、ほんの数年前までは29.2%ほどの金利を取っていました。さらにもっと遡れば、70%というとてつもない金利が法律で認められていたのです。

全国のお茶の間へテレビCMを流していた裏側で、このような暴利が平然として取られていたわけです。

しかし、そんなこの世の春も、2006年の最高裁判決で終焉を迎えることとなります。グレーゾーン金利が違法であるとされたのです。

消費者金融などの金融業者は、顧客に金利を科す際には法律で決められた上限金利を基に決定をしていました。しかし、金利を定める法律が2つあったことが問題を複雑化させることとなったのです。

一つは利息制限法で、この法律では昭和29年以降一貫して、上限金利は18.0%としてきました。この法律に従っていれば、何も問題が発生してこなかったでしょうし、高金利がゆえに支払い不能に陥って自殺などを選んだ人もいなかったことでしょう。

しかし、貸金業者はこの利息制限法に従わず、もう一つの出資法で定められた上限金利のほうを選択していたのです。出資法の上限金利は、段階的に下げられたものの、利息制限法と比較すればはるかに高く設定されています。

当然のようにビジネスの観点から見れば、金利が高いほうが儲かりますので、金融業者はこぞって出資法の上限金利を基準として金利を設定していきました。これは大手の消費者金融も例外ではなく、テレビCMを流していた傍らでこのような利息を取っていたわけです。

しかし、最高裁によって18.0%以上の金利を取れる条件を厳格に判断されたことから、以後上限金利を18.0%にするだけではなく過去に遡って上限金利を18.0%として計算しなおして払い過ぎた金利を返還しなくてはならないとされたのです。

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過払い金請求

この判決を機に、全国では過払い金請求が相次いで発生しました。何しろ、貸金業者を利用していた殆どの方が、この過払い金請求の対象となることから、人数もさることながら、払い戻される金額の大きさには誰もが驚かされました。

過払い金請求により、消費者金融や信販会社といった金融業者は軒並み赤字に転落していきました。体力のない金融業者は倒産したり吸収される会社も少なくありませんでした。また、大手消費者金融も銀行と提携という立場だったものが、完全に資本傘下となった業者もいます。

また、さらに追い打ちをかけるように貸金業改正によって、グレーゾーン金利の完全撤廃、融資枠を年収の三分の一以下に規制、50万円を超える融資には年収証明の提出義務といった内容が制定されていきます。

いわゆる総量規制と呼称される規制法ですが、この規制によって多重債務者への融資が事実上不可能となることから、破産者や多重債務者を抑制する効果があると考えられています。